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正四角錐を切断したときの伝説の公式⁉

こんにちは。萃聚(すいじゅ)です。
ほんと、この公式、誰も知らないですよ。僕の学校でも全然知ってる人いませんでした。灘中2019年1日目の大問12などで出現しました。なお、中学受験だけでなく高校受験でもたまに使えます。

<公式>

図のように正四角錐O-ABCDがあり、P,Q,R,Sを通る平面で切断したとします。
$OP=a$, $OQ=b$, $OR=c$, $OS=d$
とすると、 \[\frac{1}{a}+\frac{1}{c}=\frac{1}{b}+\frac{1}{d}\] という式が成り立ちます。



証明のようなもの

ではそれの証明です。東大の加法定理の証明問題、西大和高校の三平方の定理の証明問題みたいに公式の証明問題もたまに出ますし、やはり公式の証明はちゃんと知っておくべきだと僕は思います。…そんなこと言いつつ、トレミーの定理の証明とかオイラー円の証明やれと言われたらできるか怪しいですけど。
ともあれ先ほどの図でOから面ABCDに下ろした垂線の足をYとして、面PQRSとOHの交点をXとすると、XはSQとPRの交点でありますから、そこで比が等しいことを利用して、うまく考えてあげるというのがいいでしょう。
三角形OACを含む平面で切ってやると下のようになります。記号は適当におきました。もちろんOUとTCは平行です。
いま求めたいのはOX:XYです。
$OA=OC=n$と置いてみます。
\[OU:TC=OR:RC=c:\left(n-c\right)\] $OU=cx$と置きましょう。
\[TC=\left(n-c\right)x \]
次に、 \[OU:TA=OP:PA=a:(n-a)\] $OU=cx$ ですから、
\[TA=\frac{n-a}{a}cx\]
AY=CYですから、 \[AY=\frac{TC-TA}{2}=\frac{\left(n-c\right)x-\frac{n-a}{a}cx}{2}=\frac{a-c}{2a}nx \] \[AY=\frac{TC-TA}{2}\\ \ \ \ \ \ \ =\frac{\left(n-c\right)x-\frac{n-a}{a}cx}{2}\\ \ \ \ \ \ \ =\frac{a-c}{2a}nx \] よって、 \[OX:XY=OU:TY=OU:\left(TA+AY\right)=cx:\left(\frac{n-a}{a}cx+\frac{a-c}{2a}nx\right)=c:\left\{\frac{n\left(a+c\right)}{2a}-c\right\} …①\] \[ \begin{eqnarray*} OX:XY&=& OU:TY \\ &=& OU:\left(TA+AY\right) \\ &=& cx:\left(\frac{n-a}{a}cx+\frac{a-c}{2a}nx\right) \\ &=& c:\left\{\frac{n\left(a+c\right)}{2a}-c\right\} …① \end{eqnarray*} \] △OBDを含む平面で切ったとき(つまり $b,d$ に関係する式)も、まったく同様にして求まり、このようになります。 \[OX:XY=b:\left\{\frac{n\left(b+d\right)}{2d}-b\right\} …②\]
記号を入れ替えただけです。で、①、②よりOX:XYが共通ですから、 \[c:\left\{\frac{n\left(a+c\right)}{2a}-c\right\}=b:\left\{\frac{n\left(b+d\right)}{2d}-b\right\}\] \[\left\{\frac{n\left(a+c\right)}{2a}-c\right\}\times b=\left\{\frac{n\left(b+d\right)}{2d}-b\right\}\times c \] \[\small c:\left\{\frac{n\left(a+c\right)}{2a}-c\right\}=b:\left\{\frac{n\left(b+d\right)}{2d}-b\right\}\] \[\small \left\{\frac{n\left(a+c\right)}{2a}-c\right\}\times b=\left\{\frac{n\left(b+d\right)}{2d}-b\right\}\times c \] \[\frac{n\left(a+c\right)}{2a}\times b-bc=\frac{n\left(b+d\right)}{2d}\times c-bc \] \[\frac{n\left(a+c\right)}{2a}\times b=\frac{n\left(b+d\right)}{2d}\times c \] \[\frac{a+c}{2a}\times b=\frac{b+d}{2d}\times c \] \[\frac{a+c}{a}\times b=\frac{b+d}{d}\times c \] \[\left(1+\frac{c}{a}\right)\times b=\left(\frac{b}{d}+1\right)\times c \] \[\left(1+\frac{c}{a}\right)\times\frac{b}{c}=\frac{b}{d}+1 \] \[\frac{b}{c}+\frac{b}{a}=\frac{b}{d}+1\] 両辺を $b$ で割って、 \[\frac{1}{a}+\frac{1}{c}=\frac{1}{b}+\frac{1}{d}\] 最後は怒涛の式になりましたけど、すごくきれいな公式だと思います。大好きです。使用頻度が少ないのが難点ですが…
ちなみにこの公式は、正四角錐だけではなく、正六角錐、正八角錐など、正偶数角錐でも使えます。だって、OX:XYが同じことを利用すれば同じような計算の流れになりますから。

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